
そろそろ冬のボーナスが支給される時期ですね。夏のボーナスを振り返ってみると、大手企業が大幅アップしたものの、事業所規模が小さな企業はマイナスになるといった現象が見られました。相変わらず大手と中小の格差が広がっているようですね。
さて、冬のボーナスはどうなるのでしょう?
今回のコラムは、2018年冬のボーナス予想と、人生の勝ち組になる使い道・負け組になる使い道についてお届けします。
<目次>
2018年冬のボーナス、大手は過去最高額?
ここ数年、大手企業のボーナス支給額は好調を維持しています。今年の冬は、大手企業のボーナスは95万円超えで、過去最高の金額を更新する見込みです。
先日、経団連が発表した「2018年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」によると、回答があった75社の妥結額は平均95万6744円!相変わらず大手は好調のようですね。
平均95万6744円
この金額は、前年から3.49%(3万306円)のアップで、過去最高を更新しました。ちなみに、対象企業は東証一部上場、従業員500人以上、主要21業種大手251社。つまり、大手中の大手という感じでしょうか。大手企業はこの冬もボーナスはかなり期待できそうですね。
2018年冬のボーナス、全体では40万円弱!
中小を含めた企業全体では、冬のボーナスは40万円弱になりそうです。事業所規模5人以上の企業を対象にした調査では、みずほ総合研究所が平均38万8315円(前年比2.0%アップ)と予想。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、平均39万2103円(前年比3.0%アップ)と予想しています。
平均38万8315円~39万2103円
そのうち、製造業は53万2858円、非製造業は36万2437円と、製造業のほうが圧倒的に高くなっています。いずれにしても前年よりアップする見込みですよ。とはいうものの、ボーナスが出ない企業、雀の涙程度の企業も多く、格差は埋まらないようです。
冬のボーナス、みんなの使い道は?
続いてはボーナスの使い道です。毎年上位にランクインする使い道は次のとおりです。
□買い物
□生活費の補てん
□国内旅行
□外食
□ローン返済
□子供の教育費
□投資
なかでも貯蓄は、毎年どの調査でも1位となっています。堅実な人が多いというより、将来に不安を感じている人が多いようです。また、最近の傾向としては「ボーナスを何に使ったらいいのかわからない」という人が増えています。
ボーナスに対する4つの考え方
ボーナスをどのように捉えるかは人によってちがいます。大きく分けて「臨時収入」「貯蓄する」「投資する」「年収の一部」と考えている人が多いようですが、それぞれメリットとデメリットがあります。
初めからボーナスをあてにしていない人です。生活費や買い物、ローン返済、子供の教育費などすべての支出を毎月の給与でやりくりしています。
そのため、ボーナスは「自由に使えるお金」という考え方で、パーッと使う傾向にあります。なかでも、ボーナスで旅行に行くのが恒例になっているという人が多いようですね。
毎月の給与でやりくりできているタイプなので、生活に余裕があり、万が一ボーナスが支給されなくても生活苦に陥るリスクはないでしょう。ただし、将来設計という面では不安があります。もし、毎月の給与で貯蓄や投資ができていないとしたら、ボーナスの8割程度は貯蓄と投資にまわしたいものです。
ボーナスは全額貯蓄にまわすという人も少なくありません。その背景には、将来や老後への不安があります。
特に、ここ数年は「年金はあてにできない」という空気感が高まり、自分の老後資金は自分で貯めなければいけないと考える人が増えています。ボーナスを全額貯蓄にまわす人は堅実ではありますが、老後の蓄えという面では不安も……。
というのも、現在は超低金利時代。例えば、ゆうちょ銀行の通帳貯金の金利は0.001%。1千万円を10年預け入れても、1000円の利息しかつきません。ちなみに、定期貯金でも金利は0.01%。1千万円を10年預け入れると、1万円の利息になります。
1990年頃のいわゆるバブル期には約6%もあり、「利息で暮らす」が夢ではなかったのですが、いまでは利息はあてにできないものになりました。ですから、老後資金を貯めたいのなら、ボーナスの一部を投資にまわすのが理想的です。
生活に余裕があり、日常的に投資や投機を行っている人なら、ボーナスを全額投資にまわすのは計画的なものといえるでしょう。ただし、投資ビギナーがいきなり全額を投資にまわすのはリスクが高すぎます。
株やFXですぐに儲かることはありません。逆に、最初は損をすると思ったほうがいいでしょう。勉強や経験を重ねることで、少しずつ利益を生んでいけるものなのです。
逆に怖いのが、いわゆるビギナーズラック。最初に儲けてしまうと、引き際がわからなくなってしまいます。投資はギャンブル性が高いということを覚えておきましょう。
ボーナスを年収の一部として換算している人は、不測の事態でボーナスが支給されなかったとき、マネープランが大きく狂うばかりではなく、生活苦に直面してしまう可能性があります。
ボーナスを見込んでの借金や、クレジットカードでのボーナス払いが習慣になっていると危険です。もちろん、ボーナスを年収の一部として考えてはいけないというのではありません。住宅ローンの返済で、ボーナス払いを設定している人も多いでしょう。ただ、ボーナスは必ず支給されると決まったものではありません。いまは安定していても、会社の売上によっては支給されなくなる可能性もあるのです。
ですから最低限、生活費は毎月の給与だけでやりくりしたいもの。もしできていなければ、毎月の支出に無駄はないかチェックすることをおすすめします。
人生の勝ち組になるボーナスの使い方は?
それぞれの比率は、マネープランやライフプランに合わせて決めるといいでしょう。ただし、消費は20%以下に抑えるのが賢い方法です。投資は、ビギナーの方なら10%ほどからスタートするのがおすすめです。
ボーナス失敗談あれこれ
ボーナスが出ると、つい気が大きくなって衝動買いや大人買いをして、あとで後悔したことはありませんか?そんなよくある失敗談をまとめてみました。
「普段は変えないブランドの服を衝動買いしてしまったが、まったく似合わず、着ていくところもないことに気づいて悲しくなった」「一か八かで、全額宝くじを購入したが、見事にはずれた。後悔している」
「スキルアップのために英会話スクールに申し込み、一括で払った。でも、仕事が忙しくて全然行けていない」「痩せたいと思ってエステに申し込んだが、一向に効果が表れないうえに、追加でいろんなオプションを勧められてつらい」
「ボーナスが出る前に、クレジットカードのボーナス払いを乱用し、ボーナスはすべて支払いにまわした」
「何に使ったというわけじゃないのに、気がついたらなくなっていた。飲んだり食ったり、友達におごったり、ネットでポチったりしているうちにすべて使ってしまった」「冬のボーナスは支給される時期が悪い。クリスマスや年末年始は財布の紐がゆるむし、何かとお金が必要なので、あっというまになくなってしまう」
「友達に頼まれてお金を貸してしまったが、いまだに返ってこない。初めからボーナスを狙っていたのだろう」「友達に投資システムの話を持ちかけられた。年50%の利回りで、億稼いでいる人もいるという。信用している友達の話だけに、一瞬信じてボーナスをつぎ込むところだった。危なかった」
借金がある人は返済にまわそう!
キャッシングなどでお金を借りている人は、一括で返済するのもひとつの方法。キャッシングを賢く利用するポイントは、必要な金額を、必要な期間だけ借りることです。早く返済すればするほど、支払うべき利息は少なくて済みます。
ローンの返済方法を見直す機会に!
自動車ローンや住宅ローンでボーナス払いしている人は、返済方法を見直してみてはいかがでしょう。というのは、ローンの返済をボーナスに頼るのはリスクが高いからです。
「金利の低いところに借り換えの方法はないか?」「毎月の返済額を上げられないか?」など、この機会に返済方法を見直してみましょう。
モチベーションが上がる使い方を!
いくら将来や老後が不安だといっても、全額を貯蓄や投資にまわしてはモチベーションが上がりません。せっかくのボーナスですから、欲しいもの、したいことにもお金を使いましょう。モチベーションが上がり、毎日が楽しくなるようなことなら、それは浪費ではなく投資といえるでしょう。
例えば、こんな声があります。
なかには、ボーナスは全額寄付やボランティア活動に使うと決めている人もいるようです。モノでは得られない心の充実が感じられるのかもしれませんね。
さて、ボーナスシーズンは間近です。ぜひ有意義に使ってくださいね!