起業したいと思ったら?個人事業主と法人設立のメリット・デメリットなど

「起業したい」「独立したい」と思ったことはありませんか?

いまの会社に不満がある人は「いっそのこと退職して起業してやる!」なんて思うこともあるのではないでしょうか。また、転職や就職活動がうまくいかない人も「いっそのこと自分でやるかな」なんて起業という選択肢が浮かぶこともあるようです。もちろん、最初から起業をめざしている人も多いでしょう。

近年、独立して起業する人は増えているようです。そこで、起業する前に考えたいことと、起業するための手続き方法についてまとめてみました。

起業する目的を自問自答する

「会社を辞めて独立してやる!」そんな安易な考えで起業するのは危険です。確かにいまは、資本金が1円でもいいことから、独立する人が増えています。でも、法人設立となると、資本金以外にもけっして少なくはないお金が必要です。

もし本気で起業を考えるなら、少なくとも次のことは自問自答したいものです。

「起業する目的は何か?」
「どんなビジネスをするか?」
「自分の強みは何か?」
「自分のやりたいことは何か?」
「資金はどのように調達するか?」
「収益は得られるのか?」

もし、起業する目的が現状への不満だったり、具体的なプランが思い描けない人は、独立してもうまくいかないと思ったほうがいいでしょう。

個人事業主と法人設立~メリット・デメリット

起業には、個人事業主と法人設立の2つの方法があります。独立を決めたとき「個人事業主にするか、会社設立をするか」で悩む人も多いでしょう。それぞれにメリットとデメリットがあるので比較してみましょう。

<個人事業主>
個人事業主のメリットは、なんといっても法人設立に比べてさまざまな手続きが簡単だということ。個人事業主として事業をスタートするためには、所轄の税務署に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を提出するだけ。それで手続きはおしまいで、申請にお金はかかりません。また、税金の計算も法人設立に比べて簡単で、確定申告をして税金を納めます。

一方、デメリットには、法人と比べて社会的信用度が低いことがあります。企業のなかには、取引するのは法人のみとしているところもあるので、仕事がスムーズにいかないこともありそうです。さらに、キャッシングやローンでも個人事業主の信用度は低く見られます。特に開業して日が浅い場合は、審査に通らない可能性もあります。覚えておきたいのが、キャッシングは事業資金目的の借入はNGということ。事業資金を借りたい場合はビジネスローンになります。

個人事業主のメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。

●メリット
・開業手続きが簡単
・開業申請にお金がかからない
・税金の計算が簡単
●デメリット
・社会的信用度が低い
・取引がスムーズにいかないことがある

<法人設立>
法人設立のメリットは、なんといっても社会的信用が得られることです。企業との取引もスムーズにいきますし、個人事業主に比べると銀行からの融資もグンと受けやすくなります。
また、税制で優遇されているのもポイント。基本的に、利益が多いほど法人にしたほうが節税メリットが大きくなります。というのは、個人事業主は所得が増えるほど税率が高くなりますが、法人が支払う法人税は原則一定税率となっているからです。さらに、法人のほうが経費として認められるものが多くなります。

一方のデメリットとしては、起業の手続きが面倒なことがあります。個人事業主は税務署に1種類の書類を提出すればいいのですが、法人設立の場合、いくつもの書類を準備する必要があります。
そのため、時間もお金もかかります。また、税務や経理が複雑になるため、事務負担が大きくなります。

法人設立のメリット・デメリットは次のとおりです。

●メリット
・社会的信用が得られる
・取引制限がない
・税制で優遇されている
●デメリット
・起業に時間とお金がかかる
・起業の手続きが面倒
・税務や経理の負担が大きい

法人成り~成功パターン・失敗パターン

よくあるケースが、まずは個人事業主でスタートし、事業が軌道に乗ってきたところで法人設立をする方法。これを「法人成り」といいます。

事業が順調だと、社会的信用や資金調達のためにもぜひ法人化にしたいと思うところですが、気をつけたいのが個人事業主のままのほうが有利な場合があるということ。法人成りのタイミングとして一般的にいわれているのが、売上高が年1000万円を超える少し前です。なぜなら、2年前の課税売上高か、前年の前半6ヵ月の課税売上高が1000万円を超えた個人事業主は、消費税を支払う義務が生じるからです。

2019年10月1日から消費税は10%になるので、かなりの税金を納めなくてはなりません。法人成りをすると新しい法人となり、前の個人事業主とは別になるため、個人事業主時代の売上高は関係なくなります。新設法人は、最大2年間は消費税の納税義務が免除されるため、このタイミングで法人成りをするケースが多いのです。逆に、法人成りに向かないのは売上高が少ないケースです。

個人事業主だと、赤字の場合は所得税や住民税の免除がありますが、法人は赤字でも最低7万円の税金を払う必要があります。また、法人には社会保険への加入義務があり、社会保険料の半分を負担しなくてはなりません。法人成りをすることによって、かえって負担が大きくなってしまうのです。

法人設立の手続き前に準備すべきこと

法人設立にはさまざまな手続きが必要です。でも、手続きの前に決めておかなければならないことがあります。

●商号を決める
商号とは会社名のことです。基本的に会社名は自由につけられますが、いくつかのポイントに気をつけなくてはなりません。

・同じ住所に同じ商号がある場合は使えません。

・商標登録されている商号は使えません。

・誤解をまねく商号は使えません。

●印鑑を作る
登記をするときには会社の代表印が必要です。印鑑は会社の顔ともいえる大切なもの。きちんとした印鑑を作ることをおすすめします。できあがるまで日数がかかる場合があるので、早めに準備したほうがいいでしょう。

法人設立手続き1:定款を作る

定款とは法人設立に必要な書類で、会社のルールブック的なものです。絶対に記載しなければならない項目は以下の6つです。

1.事業目的
2.商号(会社名)
3.本店所在地
4.設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
5.発起人の氏名または名称及び住所
6.発行可能株式総数

これら6つの項目は「絶対的記載事項」といい、会社法で記載が定められています。ただし、定款にはこれら6項目だけ記載すればいいというわけではありません。

そのほか、会社の実情に合わせて記載が必要な項目があります。

<相対的記載事項>
・株式の譲渡制限に関する定め
・株券発行の定め
・代表取締役や取締役会の設置
・剰余金配当の定め
・公告の方法 など
<任意的記載事項>
・事業年度
・決算日
・役員報酬の決め方
・株主総会の議長 など

任意的記載事項は記載がなくてもいいのですが、定款に記載することでその効力を高める目的があります。

法人設立手続き2:定款の認証

定款を作成したら、その定款が正しく記載されているかどうか第三者に証明してもらうことが必要です。それが、定款の認証です。

認証手続きは、会社の本店所在地を管轄する公証役場で行います。その際、認証手数料5万円、印紙代4万円、謄本の交付手数料約2000円(定款の枚数によって異なります)がかかります。

法人設立手続き3:資本金の払込

定款認証が済んだら、会社の資本金を払わなくてはなりません。現在の会社法では資本金は1円でもいいことになっていますが、資本金が1円というのはあり得ないと考えたほうがいいでしょう。ただし、多ければいいというわけではありません。

法人を新設すると、最大2年間は消費税の支払いが免除されるのですが、資本金が1000万円を超えると、初年度から消費税が課税されてしまいます。そのため、100~1000万円にすることが多いようです。

法人設立手続き4:登記書類の作成

登記認証を行い、資本金の払込をしたら、法務局に会社設立の登記を行います。登記申請は、資本金を払い込んでから2週間以内に行わなければなりません。申請方法は次の3つです。

・法務局に行く
・郵送
・オンライン

登記申請に必要な書類は次の11種類です。

1.登記申請書
2.定款
3.資本金の払込証明書
4.発起人の決定書
5.取締役の就任承諾書
6.代表取締役の就任承諾書
7.監査役の就任承諾書
8.取締役の印鑑証明書
9.登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
10.印鑑届出書
11.登記すべき事項を保存したCD-RかFD

登記申請書は、法務局ホームページから様式をダウンロードすることができます。

※法務局ホームページ
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

気をつけたいのが、登記の申請日が会社の設立日になるということ。あらかじめ設立日を決めている場合は十分注意してください。

法人設立手続き5:行政などへの開業の届け出

登記とともに会社を設立したことになります。でも、それで終わりではありません。

法人としてスタートするためには、税務署や都道府県、市町村などに届け出をする必要があります。

・法人設立届出書
・給与支払い事務所等の開設届出書
・労働保険保険関係成立届
・雇用保険適用事業所設置届
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 など

以上、法人設立の流れをざっくりとご紹介しました。

法人設立の手続きは、司法書士をはじめ税理士、行政書士、法人設立代行団体などに依頼することができます。手間暇をかけたくない人や手続きに不安がある人は相談してみるといいでしょう。

事業資金の調達方法

起業後に事業資金が必要になったときは、公的な補助金や助成金、日本政策金融公庫、銀行、ノンバンク系ローン(ビジネスローン)などを利用することになります。

それぞれ融資条件や審査基準ががちがうため、ニーズに合ったところを選ぶ必要があります。

前述したように、キャッシングは事業資金として使うことはできないので注意してくださいね。

公開日:2018年11月22日
 
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