
近年、話題になっているのが個人間融資です。
特に、インターネットを介した個人間でのお金の貸し借りが多くなっています。一見、手軽そうな仕組みに感じますが、個人間融資にはたくさんのリスクがあるのをご存じですか?
今回のコラムは、個人間融資の危険性についてお届けします。
<目次>
「お金を貸してください」がTwitterで増殖中
最近「個人間融資」という言葉をよく見かけるようになりました。お金を借りるときは銀行や消費者金融などを利用するのが一般的ですが、個人間融資はその名のとおり個人同士でお金の貸し借りをします。といっても、家族や友人から借りるのではなく、インターネット上で知らない人から借ります。
10年ほど前は、インターネット掲示板の2ちゃんねるで個人間融資が盛んに行われていました。最近ではTwitterで「#個人融資」「#個人間融資」「#お金貸してください」などのハッシュタグをつけ、個人からの融資を求めるパターンが増えています。
「明日までに20万円必要です。分割で返済します」
「即日で10万円必要です。ほんとうに困っています」といったツイートが見られます。
また、貸す側のツイートもあり、なかには「ブラックOK」「無職OK」と謳っているものや、法外な利息を要求するものまであります。
個人間融資専門の掲示板サイトの危険性は?
さらに問題になっているのが、個人間融資専門の掲示板サイトです。
1.お金を借りたい人が、希望金額や簡単な個人情報を書き込む
↓
2.お金を貸す人が金利や返済方法などの条件を提示する
↓
3.交渉成立
サイトによっては逆のパターンもあり、貸す側の書き込みに借りたい人が申し込むこともあります。いずれにしても、Twitterよりも詳しい事情が書かれている場合がほとんどです。例えば、「家賃を滞納したため」「生活費が足りなくなってしまったため」「電気とガスを止められてしまったため」などです。
掲示板サイトによってもちがいますが、年齢、性別、職業、居住都道府県、メールアドレスといった個人情報を記載しなければならないところもあります。また、貸す側の書き込みを禁止しているサイトもあれば、貸す側専用の掲示板を設けているサイトもあります。
共通しているのは、あくまでも個人間の融資であることを謳っている点です。個人間の貸し借りであれば、「ブラックリストでも借りられる」「自己破産しても借りられる」「総量規制以上のお金を借りられる」「他社からの借入額を知られずに借りられる」と考え、利用する人が多いようです。また、個人間融資なら手軽に借りられると考えたり、なかには借金を踏み倒せるのではないかと考える人もいるようです。
こう書くと、個人間融資は手軽で便利に思えるかもしれませんが、実は罠がたくさんあります。
個人間融資の上限金利は?
消費者金融や銀行をはじめとする企業とお金の貸し借りをする場合、法律で上限金利が定められています。
元金が10万円未満 :年利20%まで
元金が10万円以上100万円未満 :年利18%まで
元金が100万円以上 :年利15%まで
この上限金利を超える利息を要求してくるのが闇金です。
ところで、個人間の融資も上限金利が法律で定められているのをご存じですか?
消費者金融や銀行と比べて、個人間だとかなり高い金利になりますね。となると、貸す側にとっては企業としてではなく、個人として貸したくなるのもわかる気がします。
企業が10万円を金利18%で10日貸した利息:493円
個人が10万円を金利109.5%で10日貸した利息:3000円
このように利息は大きくちがってきます。でも、「個人間の融資だから利息をたくさん払うのは仕方ない」と考えるのはまちがいです。
上限金利を年109.5%と定めているのは出資法で、利息制限法の上限金利は年20%です。そのため、20%を超える利息分は裁判をすれば返してもらえる確率が高いのです。それなのに、個人間融資では借りたい人の足元を見て、高い利息を要求するケースがほとんどです。
個人間融資にひそむ闇金の罠
個人間融資の掲示板サイトには、個人を装った闇金が横行しています。なぜなら、消費者金融や銀行からキャッシングできない人は、闇金にとっては絶好の獲物だからです。
闇金は法定外の高い利息を要求するばかりではなく、借り手の氏名、住所、生年月日といった個人情報を闇の名簿業者や別の闇金業者へ売ります。借り手の個人情報が出まわり、悪用される可能性が高くなります。別の闇金業者からダイレクトメールや電話が来たり、勝手に口座にお金を振り込まれる押し貸しをされたり、架空請求をされることもあります。また、激しい取り立てにあう可能性も出てきます。
消費者金融などの貸金業には、禁止されている取り立て行為があります。
などの行為が法律で禁じられています。
ところが、個人間となると法律は守ってくれません。早朝から深夜まで電話や訪問があったり、嫌がらせや脅しを受けたりすることもあるのです。
一度、闇金にかかわってしまうと、手を切ることは非常にむずかしいと言われています。絶対にかかわらないようにしましょう。
詐欺被害も多数発生
個人間融資には詐欺も多く見られます。
また、手数料や保証料の名目で事前にお金を要求してくることもあります。つまり、振り込め詐欺と同じ手口です。
わいせつ目的の誘いに注意
特に女性が気をつけたいのが、わいせつ目的の人がいるということ。お金を貸すかわりにホテルに連れ込まれたり、裸の写真や動画を送るように言われたりするケースがあるようです。
誘いには絶対にのらないようにしてください。
クレジットカードの現金化のリスク
個人間融資には、クレジットカードの現金化をすすめてくる業者が紛れているようです。
確かに手元に現金は入りますが、業者に膨大な手数料を支払ったうえに、商品の支払いをしなくてはなりません。業者へ支払う手数料は金利に換算すると、おそろしく高く、闇金以上とも言われるほどです。クレジットカードの現金化はいまのところ違法ではありませんが、近い将来規制されると言われています。また、法律違反ではなくても、クレジットカードは換金を目的とする利用を認めていないため規約違反となり、残金の一括請求やカードの利用停止などを求められることもあります。
クレジットカードの現金化のほかに、別サイトへ誘導したり、会員登録をさせるといったトラブルもあります。出会い系サイトやアフィリエイト系サイトへの会員登録をお金を貸す条件にするのですが、実際は融資をしてくれません。個人情報を抜き取られておしまいです。
基本的に個人間融資の利息は高い
個人間融資のすべてが闇金や詐欺というわけではありません。なかには、きちんとお金を貸してくれる人もいるでしょう。
借りる側も切羽詰まった人が多く、「10万円を来月12万円にして返します」「1万円を貸してくれたら、1日千円の利息を払います」などと、自ら高い利息を提案する投稿も見られます。
でも、ほんとうにそんな借り方をしてもいいのでしょうか?
個人間融資の前に「くらべる君の簡易審査」
個人間融資でお金を借りたい人の多くは、消費者金融や銀行でキャッシングできない人です。
でも、キャッシングの審査に落ちた人は、ほかの企業なら借りられるかもしれないし、延滞などの事故情報がある人は、それでも貸してくれる企業があるかもしれません。特に、中小の消費者金融のなかには、過去の事故情報よりも、現在の返済能力を重視するところがあります。そうしたところであれば、個人間融資よりもずっと少ない利息で借りられるかもしれません。また、闇金や詐欺のリスクもないし、法律違反の取り立てにあうこともありません。
「簡易審査」はあくまで仮審査なので100%とは言えませんが、年間約20万人もの利用者があるため、精度はかなり高くなっています。「簡易審査」は完全匿名で、しかも実際に申し込んだことにはならないため、例え借りられる企業がなかったとしても、信用情報に傷がつくこともありません。
個人間融資で危ない橋を渡る前に、「くらべる君」を思い出してくださいね。
<目次>
※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。