「東京五輪ボランティアはブラック」の声を検証!

2020年に迫った東京オリンピック。

その経済効果は32兆円規模とも言われています。その一方で、五輪後の景気の落ち込みも心配されています。ある調査によると、シニア層は五輪に「感動」を期待し、若者層は「経済効果」を期待しているそうです。

そんななか、9月26日に五輪ボランティアの募集がスタートしました!東京五輪ボランティアといえば、以前より「条件がブラック企業並み」と言われていましたが、実際のところはどうなのでしょう。

そこで今回はお金の話からちょっと外れて、東京五輪ボランティアの条件や待遇をチェックしながら、ほんとうにブラック企業に匹敵するのかどうかを検証してみました。

11万人以上のボランティアを募集!

4年に1度の最大のスポーツイベント・夏のオリンピックが2020年、東京で開催されます。

問題山積みと言われている東京五輪ですが、ボランティアの募集がスタートしました。東京五輪ボランティアは、その条件と待遇の厳しさから「ブラック企業みたい」と指摘されていますが、実際のところはどうなのでしょう。まず、東京五輪ボランティアについて簡単にご説明します。

大会組織委員会と東京都を合わせて、11万人ものボランティアを募集しています。ボランティアには大きく分けて2種類あります。

<大会ボランティア>
大会組織委員会が募集するボランティア。8万人を募集。

ボランティア内容は、競技会場や選手村などで海外要人のおもてなしや選手のサポート、競技結果のデータ入力など多岐にわたります。選手と身近に接することができる役割もあります。

<都市ボランティア>
自治体が募集するボランティア。東京都は推薦含め3万人を募集。

福島県は1000人、札幌は600人を募集。ボランティア内容は、空港や駅、観光地などでの案内とおもてなしが中心になります。

ほんとうにブラックか?ボランティアの待遇

東京五輪ボランティアにはさまざまな内容があり、11万人以上が必要とされています。それでは、なぜ東京五輪ボランティアがブラック企業といわれるのか、その条件と待遇を見ていきましょう。

<大会ボランティア>
・1日8時間程度

・10日間以上が基本

・すべての研修に参加

・1日一律1000円の交通費を支給

・一律1000円以外の交通費・宿泊費は自己負担

<都市ボランティア>
・1日5時間程度

・3~5日以上が基本

・交通費は検討中

大会ボランティアの交通費を1日1000円支給することになったのは、「ブラックだ」「やりがい搾取だ」という批判を受けて決まったことでしょう。一方、都市ボランティアの交通費については検討中のところがほとんどです。といっても、交通費が1日1000円で収まる人は、都内か近郊に住んでいる人だけ。

遠方からのボランティアの場合、東京への往復の交通費のほか宿泊費もかかりますが、すべて自己負担となります。特に大会ボランティアは、1日8時間程度の活動が10日間以上となっているため、拘束期間が長く、しかも真夏の開催ということで熱中症など体調不良の心配もあります。

それなのに1日1000円の交通費だけ……。確かにブラック企業並みと言われれば、そう感じる人もいるでしょう。

ただ、東京五輪ボランティアの待遇は過去の五輪と同レベルとのこと。それなのに「過酷!」と感じるのは、ブラック企業に対する社会の認識が変わったせいかもしれませんね。

ボランティアは「無償」が当然ではない?

ここでブラック企業の定義を見てみましょう。

「労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業。」(デジタル大辞林)
「労働条件や就業環境が劣悪で、従業員に過重な負担を強いる企業や法人。」(知恵蔵)

キーワードは厳しい労働環境にあるようです。でも「ボランティアは労働じゃないし、無償でやるものだし!」と思っている人もいるかもしれませんね。ところが、そもそもボランティアには「無償」という意味はないのです。

ボランティアの本来の意味は、フランス語では「喜びの精神」、ラテン語では「自由意思」、英語では「志願兵」「自発的に申し出る」です。

日本では「無償で奉仕する」という意味で使われますが、海外では有償ボランティアが多く活動しています。

ですから「ボランティアだから無償でも過酷な条件でもあたりまえだ!」という考えは、日本だからこそまかり通っているのかもしれませんね。

ボランティアの主役は学生

東京五輪ボランティアをブラックと受け取るかどうかは、人それぞれと言えるでしょう。ただ、「ブラックだ」「やりがい搾取だ」と騒がれているなか、果たして11万人以上のボランティアが集まるのでしょうか?

大会ボランティア・都市ボランティアともに、応募資格は「2002年4月1日以前に生まれた方」となっています。つまり、2年後の2020年4月1日時点で18歳以上の人です。
大会組織委員会は、ボランティアの主力を学生と見込んでいますが、2年後となると、現在の大学3、4年生はすでに卒業しています。また、現在の大学2年生は就職活動の真っ最中でボランティアどころじゃないでしょう。じゃあ、現在の高校生はどうかといえば、2年後にどの大学に進学しているのか、先を見通すのはむずかしいと言われています。

文部科学省とスポーツ庁は、全国の大学と高等専門学校に対し、五輪開催中に学校行事が重ならないよう日程調整をしてほしいと伝えました。これを受け、五輪開催前に試験を終えることを決めた大学もありますが、反対に「学業よりボランティアを優先させろなんて本末転倒」という声もあがっています。

学生とブラック企業の意外すぎる関係とは!?

学生のあいだでは、東京五輪ボランティアに参加したら、就職活動に有利になるのでは?なんていう声もあります。ところが「exciteニュース(2018年8月30日)」に驚くべき記事がありました。なんと、東京五輪ボランティアの経験者はブラック企業のカモになるかもしれないという内容です。

記事によると、東京五輪ボランティアへの参加は就職に有利になるどころか、ボランティア参加を全面的にアピールすると逆に失敗する可能性が高いというのです。というのも、災害ボランティアならともかく、五輪ボランティアはお祭り好きや思い出作りとしか受け止められないというのです。逆に、嬉々として採用する企業もあるそうです。それがブラック企業!

なぜなら、ブームに流されてボランティアに参加する学生は企業の言いなりになるタイプのため、使い捨てに最適だというのです。すべての企業が、記事にあるような採用基準ではないでしょうが、頭の片隅に置いておいたほうがいいかもしれませんね。

ボランティア休暇を導入する企業も!

東京五輪ボランティアの主力は学生とされていますが、もちろん社会人の参加も欠かせません。

そこで、五輪担当相が「ボランティア休暇」の検討を経済団体に求めたところ、最高位スポンサーのブリヂストンは、ボランティア活動にあてるための休日を追加で付与することを決めました。

ただ、これは一部の企業のみができること。ほとんどの会社員は「五輪ボランティアをするので有給ください!」なんて言えないですよね。

東京五輪ボランティアの活動分野

それでも、やっぱり東京五輪のボランティアをしたいと思う人もいるでしょう。大会運営にかかわったり、選手と接したりできるのは魅力的ですよね。そんな人のためにボランティアの活動分野をご紹介します。

<大会ボランティア>

●案内
会場や空港で大会関係者や観客を案内します。

●競技
競技会場で備品管理などを行います。

●移動サポート
大会関係者を車で輸送します。普通自動車免許が必要です。

●アテンド
海外要人の接遇、選手の補助などを行います。

●運営サポート
メディアセンターで物品の貸し出しを行います。

●ヘルスケア
けが人の応急手当などを行います。

●テクノロジー
競技結果の入力や表示を行います。

●メディア
記者会見の準備や補助を行います。

●式典
表彰式で選手案内をしたり、メダルの運搬をします。

※応募時に上記より希望を3つ選択します。

五輪会場のある都市は、東京都、北海道、宮城県、福島県、茨木県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県です。

<都市ボランティア>

●空港や主要駅で交通案内

●競技場最寄り駅で観光案内

●観光地で観光案内

●自治体のPR活動

東京五輪ボランティアのスケジュール

東京五輪ボランティアのスケジュールは次のとおりです。

2018年12月上旬まで【募集・応募登録】
   ↓
2019年2月~【説明会・面談】
   ↓
2019年10月【共通研修】
   ↓
2020年3月【会場と役割決定】
   ↓
2020年4月~【役割別研修】
   ↓
2020年5月【ユニホーム配布】
   ↓
2020年6月【会場別研修】
   ↓
2020年7月24日【東京五輪開会式】

東京五輪ボランティアの応募方法

東京五輪ボランティアの応募方法は次のとおりです。大会ボランティアと都市ボランティアの応募方法はちがうので注意してくださいね。

<大会ボランティアの応募方法>

第一次期間:2018年9月26日午後1時~12月上旬

第二次期間:一部の役割を担うボランティアは、再募集する場合もあり(2019年)

応募者には、書類選考や面談を経て2019年9月ごろ結果が通知され、研修を行います。

応募方法:ウェブサイトから応募

東京2020大会ボランティア
https://tokyo2020.org/jp/special/volunteer/

<都市ボランティアのの応募方法>

応募期間:2018年9月26日午後1時~12月5日正午

応募方法:ウェブサイト、郵送、FAXにて応募

東京ボランティアナビ
http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp/index.html

大会ボランティアは応募するのも大変!

実はいま、大会ボランティアの応募フォームがネットを中心に話題になっています。というのも、応募するだけで30分もかかるというのです。

<入力する項目>
●氏名、性別、生年月日、写真、必要な配慮・サポート など

●住所・連絡先、緊急連絡先 など

●ボランティア経験、就学・就労状況 など

●語学、スポーツに関する経験、運転免許証の有無 など

●希望する活動(期間、日数、場所、分野) など

応募フォームの設計がわかりにくく、入力すること自体がむずかしいという声が殺到しています。特に、生年月日の入力と居住国の選択でつまずく人が多いようです。途中で挫折して応募を辞める人もいるのでは?と言われるほどです。

ただ、これから応募フォームのシステムを変えることはむずかしいらしく、大会組織委員会は「マニュアルを読んでもわからない人には、コールセンターで丁寧に対応していく」としています。これから応募する人は、ネットで実際に応募した人の体験談をチェックしてからチャレンジしたほうがいいかもしれませんね。

公開日:2018年10月4日
 
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