
平成29年分の確定申告期間が始まりましたね。期限は2018年3月15日(木)までです。
会社員でも確定申告が必要なケースがあるのは、いまや常識ですね。
さて、「確定申告をすればスーツ代や雑誌代が返ってくる」といわれているのが「特定支出控除」です。
でも、この制度を利用している人はとても少ないのです。
特定支出控除はどのような制度で、どのような場合に利用できるのでしょう。
<目次>
お金が返ってくる「特定支出控除」
会社員は、仕事で使った経費は会社で清算してもらえます。でも、なんでもかんでも経費で落とせるわけではありませんよね。
それに、最近は経費のチェックが厳しくなって、泣く泣く自腹を切る人が増えているようです。

それが「特定支出控除」です。
以下の8項目が特定支出(経費)として認められています。
会社員であれば、通勤にかかる交通費は会社から支給されるので、当てはまる人は少ないでしょう。パートや派遣社員など通勤費を自腹で支払っている人は利用できます。
引越費用も、転勤の場合は会社負担となるケースがほとんどですね。自己負担となった人のみ利用できます。
仕事で研修やセミナーを受講しなくてはならない場合、その費用が会社から支給されないときに控除の対象になります。
仕事に必要な資格取得のための費用です。弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、医師などが当てはまります。
単身赴任をしている人が帰省するためにかかる費用です。自己負担の場合、経費として認められますが、回数の制限があります。
仕事に関係する本、新聞、雑誌などにかかった費用です。自腹で支払った場合は経費になります。
仕事に関係する衣服購入にかかった費用です。スーツ、作業服、ヘルメットなど自腹で支払った場合、経費になります。
接待やお歳暮など通常は会社の負担となりますが、自分で支払った場合は交際費用として経費になります。
ハードル1:控除には会社の証明書が必要!
特定支出控除を利用する場合は、「それらの出費が経費にあたる」という会社の証明書が必要になります。

ちょっと面倒に思う人もいるかもしれませんね。
この点が第一のハードルといえるでしょう。
ハードル2:控除されるには高額経費が必要!
特定支出控除は、費用が一定額を超えたときしか適用になりません。
金額は年収によって変わってきます。
では、いくら以上かというと……。
年収300万円 → 経費54万円
年収400万円 → 経費67万円
年収500万円 → 経費77万円
年収600万円 → 経費87万円
例えば年収400万円の人が、特定支出控除を受けるには、67万円を超える経費を使っていなければならないのです。
これだけの金額をなかなか自腹で支払うケースはありませんよね。そのため、特定支出控除を利用する人はとても少ないのです。
特定支出控除はどんな人に向いている?
ハードルの高い特定支出控除ですが、ぜひ利用したい職種もあります。
例えば、アパレル関係。自社の洋服を買うために、毎月かなりの金額を使っている人も多いですよね。
この場合、会社が経費と認めば控除を受けることができます。
また、外資系企業などで英語力が必要とされた場合の英会話教室、不動産関係の宅建などの資格取得も対象になります。
まだ間に合う!確定申告の方法
平成29年分の確定申告期間は2018年3月15日(木)までです。
間に合わないとあきらめるのはまだ早いですよ。
3月15日までに管轄の税務署に持参するか、郵送すれば受け付けてくれます。
住所地を管轄する税務署に行って提出します。平日の8時30分~17時は手渡しできます。
土・日でも、時間外収受箱に投函すればOKです。
郵送は時間がかかるから間に合わないと思いがちですが、3月15日当日の消印であれば受け付けてもらえます。
※このほか、インターネットで申告できるe-Taxがありますが、あらかじめ登録が必要です。
■確定申告で自腹出費を取り戻す方法
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