
2018年1月に施行されたお金に関する法律を知っていますか?
それは「休眠預金活用法」。
長いあいだ取引のない銀行口座のお金を社会事業に使おうというものです。この法律によって「休眠預金はどうなるのか」「預金を勝手に使われるのか」など不安になる人もいるかもしれませんね。
今回は「休眠預金活用法」についてまとめてみました。
何年で休眠預金になる?
休眠預金は、長いあいだ取引のない口座の預金のことをいいます。
皆さんにもほったらかしの銀行口座があるのではないでしょうか?
金融機関によって異なりますが、最後にお金を出し入れした日からある一定の期間が経過すると休眠預金となります。
●銀行:10年
●ゆうちょ銀行:5年
ほとんどの銀行では10年としていますが、5年、3年、2年に設定している銀行もあります。
休眠預金は海外にもあり、イギリスは15年、フランスやカナダは10年、韓国は5年、アメリカは州によって3~7年と定められています。長いあいだ取引のない休眠預金は、最終的には金融機関の収入になります。
「休眠預金活用法」でどうなる?
日本ではひとり平均7.5の口座を持っているといわれています。
1000円以下の金額は引き出せないATMもあるので、それくらいなら「ま、いっか」と口座に残ったままになっていることも多いですね。でも、塵も積もれば山となるように、毎年1000億円を超える休眠預金が発生しているといわれています。
金融庁は次のように告知しています。
●2009年1月1日以降のお取引から10年以上、その後のお取引のない預金が休眠預金となります。
●普通預金だけでなく、定期預金、貯金、定期積金なども対象となります。
2019年1月1日以降の休眠預金が社会事業に活用され、実際に使われるようになるのは2019年秋からと見られています。
休眠預金の使い道は?
休眠預金は、3分野に限定して使われます。
わかりやすくいうと、貧困や孤立など恵まれない子供たちへの支援、介護者の負担を軽減するための活動、地域の活性化といったところです。
休眠預金は取り返せる?
「休眠預金になったお金を勝手に使われるの?」と思うかもしれませんが、その心配はありません。
その際、通帳、印鑑、本人確認書類などが必要ですが、金融機関によって異なるので確認したほうがいいでしょう。
休眠預金を放っておくリスクは?
休眠預金になっても引き出せるのなら、そのまま放っておいてもいいと思うかもしれませんね。でも、頭に入れておきたいのが「口座維持手数料」です。
つい最近、3メガバンクが、口座の維持にかかる手数料の導入を検討し始めました。
りそな銀行の場合は、2年以上取引がなく、残高が1万円未満の口座を「休眠口座」とし、年間1296円の手数料を徴収しています。

損をしないために今すべきことは?
今後はほかの銀行も、口座手数料を徴収する流れになるのではないかと見られています。

解約手続きが面倒であれば、ATMで残高を確認し、もし残っていれば全額引き出しておきましょう。
金融庁
www.fsa.go.jp/policy/kyuminyokin/kyuminyokin.html
東洋ONLINE
毎年1000億円!「休眠預金」は何に使われるか(2017年12月07日)
http://toyokeizai.net/articles/-/199618
大和総研
休眠預金活用法が成立(2016年12月20日)
www.dir.co.jp/research/report/esg/esg-report/20161220_011528.pdf
■預金が勝手に使われる!?~休眠預金等資金活用法案
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