過払い利息が国保料に?

2007年2月のニュースで、興味深いものがありました。それは、厚生労働省が弁護士会と連携して取り組む新しい試みで、多重債務により国民健康保 険の保険料を支払えなくなった人を対象に、貸金業者から利息の過払い金を取り戻し、そのお金を滞納している保険料にあてるというものです。

実は、保険料を滞納したために保険証を没収され、病院に行けずに病状が悪化してそのまま亡くなってしまうケースは少なくないのです。こうした多重債務者を 救済するとともに、財政難が問題視されている国民保険の滞納額を減らすのが目的になっています。2007年度からスタートするこの取り組みは、まず初年度 は全国10都道府県でのモデル事業を実施する方針とのことです。

もともと、こうした取り組みを要望していたのは日弁連(日本弁護士連合会)です。多重債務者が生活に困り、最初に支払いを遅らせるのは税金や保険料で、厳しく取り立てる貸金業者には返済を続ける場合がほとんどといいます。
厚生労働省によると、国民健康保険の加入世帯数は2490万世帯(2005年度)で、そのうち滞納しているのは470万世帯。なんと20%近い世帯が、保険料を滞納していることになります。その滞納額はというと、3625億円にも達しているのです!

さて、この新しい取り組みですが、モデル事業としてどのように行われるのかというと…。国民保険料の滞納者に多重債務があるとわかった場合、都道府県の国 保連合会が任命した相談員(弁護士や司法書士、金融関係の専門家など)を派遣して、無料で相談に応じるというものです。そして、利息の過払い金があった場 合、各地の弁護士会に連絡して、貸金業者からの返済手続きを行います。ただし、返ってきたからといって、そのお金がすべて国保料にまわるわけではありませ ん。そこから弁護士費用が引かれます。もちろん、保険料と弁護士費用を差し引いて残った場合は、本人に返還されます。

このモデル事業について、厚生労働省は「多重債務者から滞納分を徴収できる可能性が出てきた」とし、また日弁連は「多くの人々の健康を守れる」とし、どち らも期待しているようです。この取り組みによって、どのくらいの多重債務者が救われ、保険証を手にすることができるのでしょう。そして、国民保険料の滞納 世帯は、どのくらい減るのでしょう。
それにしても気になるのが、返済された金額から引かれる弁護士費用。いったいいくらなんでしょうね。

 

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。

公開日:2007年8月31日
 
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