
いわゆる不動産投資は、ひと昔前ならお金に余裕のある人が行うイメージでしたが、いまではハードルが下がり、平均収入のサラリーマンも行っています。
「アパート経営でラクして大儲け」「アパートさえ持っていれば将来困らない」という人さえいますが、ほんとうなのでしょうか?アパート経営の実態に探ってみましょう。
<目次>
ラクして大儲け?アパート経営の背景
サラリーマン大家が急増しています。平均収入のサラリーマンなのにアパートをまるごと一棟、場合によっては数棟も所有して、家賃収入があるケースです。
なかには自己資金でゼロでも始められるケースもあるのですから、「それならぜひアパート経営をして大儲けしたい!」と考えても不思議ではありません。
自己資金がなくてもアパート経営できる!
自己資金がなくてもアパート経営ができるのは、もちろんローンを利用するからです。
一般的なのが、アパートローン。金融機関からの融資ですが、不動産ローンとちがうのは「事業」として見なされることです。そのため、「8000万円のアパートを買いたいので融資してください」という申し込み方では融資を受けることはできません。事業計画が必要です。

そのほか、ローン申込者の勤務先や年収といった信用度も影響します。そのため、アパートローンの審査は不動産ローンよりも厳しくなります。ただ、金融機関によって審査基準はちがってくるので、A社がダメでもB社はOKということがあります。この点はキャッシングの審査と同じですね。
住宅ローンでもアパートが手に入る!
住宅ローンを利用してアパート経営を始める方法もあります。
賃貸併用の住宅で、居住部分が一定基準以上の面積であれば、住宅ローンを利用することができます。アパートの一室やワンフロアに住んで、ほかの部屋を貸し出すスタイルです。
1.審査が通りやすい
2.金利が低い
3.減税を受けられる
住宅ローンは、申込者の勤務先や年収をもとに融資をするので、長期的に安定収入が見込まれる人ほど融資が受けやすくなります。
サブリースの落とし穴
アパート経営を考えたことがある人なら「一括借り上げシステム」という言葉を聞いたことがあるでしょう。いわゆる「サブリース」と呼ばれるものです。これは、個人が所有するアパートを不動産会社がまるごと借りてくれるシステム。
アパート経営を始めるにあたって心配なのは、入居者が入るかどうかということ。空き室が多いと、家賃収入が得られませんからね。そこで「30年家賃保証」などという魅力的な謳い文句に惹かれて、サブリース契約をする大家さんがたくさんいます。サブリースは、たとえ入居者がいなくても家賃を保証してくれるので、これなら安心だと考えがちですよね。ところが大きな落とし穴が!

そうなると、家賃収入がローン返済に追いつかなくなってしまうのです。
アパートローンにリスクあり!
ロイターの記事(2016年12月12日)によると、金融庁・日銀がアパートローンの監視を強化しているそうです。というのは、アパートローンの拡大が多くの不良債権を生むリスクが懸念されているからです。その背景には、空室率の増加があります。
これは2004年に調査を始めてから、最大の空室率になります。空き室が多いと賃料は下がります。その結果、アパートローンの返済が滞り、不良債権化してしまう恐れがあるのです。どこかで聞いた話だと思いませんか?
住宅ローンとアパートローン、種類はちがってもリスクは同じです。
投資は計画的に!
アパート経営にはリスクもありますが、もちろんメリットもたくさんあります。実際、アパート経営で大成功を収めている人も大勢います。
■サブプライムローンについて
<目次>
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