【2016年】<検証>消費者金融業界は10年間でどう変わったか!?

改正貸金業法が成立して10年がたちました。
消費者金融業界にとっては激動の10年だったといえます。

2006年に公布され、2010年に完全施行された改正貸金業法は、貸金業者にとっても利用者にとっても、大きな転機となりました。

そこで、貸金業法とともに消費者金融業界の歴史を振り返ってみましょう。

貸し付けが10年間で4分の1に激減!

先日、時事通信に「消費者金融の貸し付けが10年間で、4分の1に激減した」という記事が載っていました。

記事によると、2015年度末の貸付残高は4兆4438億円で、これは2006年度末の4分の1になるそうです。

激減した理由は、なんといっても改正貸金業法の施行です

ひとつの法律によって、大きく転換した消費者金融業界。貸金業法は時代とともに、どのように変わっていったのでしょう。

【1983年】「貸金業規制法」が誕生!

column292_toritate-min「サラリーマン金融」とも呼ばれていた消費者金融が次々に誕生したのは、1960年代からのことです。

それまでは、お金が必要なときは質屋を利用するのが一般的でしたが、高度成長期を迎えたことによって古いものには価値がないと見なされ、質屋を利用する人が激減。質屋のかわりに消費者金融が生まれました。

当時は法的な規制がほとんどない状態で、高金利による貸し付けや悪質な業者による過酷な取り立てが問題になりました。

そのため「サラ金地獄」という言葉も生まれたほどです。
当時の出資法の上限金利は、なんと109.5%!

1万円を借りた場合、1日30円の利息がつきます。半年間借りると、1万5400円にして返済しなくてはなりません。

そこで、1983年にやっといまの改正貸金業の土台となる「貸金業規制法」ができました
出資法の上限金利も引き下げられましたが、それでも73.0%もあったのです。

<出資法の上限金利>

●1983年
 109.5% → 73.0%
●1986年
 73.0% → 54.75%

貸金業規制法ができた1983年といえば、東京ディズニーランドの開園や、任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)が発売されたりと、日本経済は安定成長のなかにありました。

日本全体が新しいことや楽しいことに熱心で、消費意欲が旺盛な時代だったといえるでしょう。

【1990年代】不死鳥のように蘇った消費者金融!

貸金業規制法の成立によって、消費者金融業界はいっときダメージを受けました。中小企業では淘汰が進み、貸金業者数は激減しました。

ところが、1990年代に入ってからさらなる飛躍を遂げることになります。
それが、無人契約機の登場です。

無人契約機によって借り入れがしやすくなったことに加え、それまで自粛していたテレビCMも続々と流れるようになりました

出資金の上限金利はさらに引き下げられましたが、多重債務者が社会問題になっていきました。

<出資法の上限金利>

●1991年
 54.75% → 40.004%

1990年代といえば「失われた10年」と呼ばれ、日本経済が低迷した時代です。

バブル景気が終わり、経済不況となり、金融機関など多くの企業が倒産しました。大学を出ても就職できない「就職氷河期」もこの時代のことです。

それでも、消費者金融業界は順調でした。
というのも、不景気だからこそお金が必要な利用者が増えたからです。

それを裏付けるように、長者番付には消費者金融の経営者が何人もランクインしました。

【2000年代】波瀾と苦難の時代の到来!

2000年には、上限金利が29.2%まで引き下げられました。

この背景には、前年の商工ローン問題があります。中小企業向けに融資をしていた貸金業者の過剰な貸し付けと過酷な取り立てが大きく報道されたのです。

取り立ての際の「肝臓を売れ」「目玉を売れ」といった暴言が公になり、国会でも取り上げられました。

<出資法の上限金利>

●2000年
 40.004% → 29.2%

かつて109.5%だった出資法の上限金利は29.2%まで引き下げられましたが、複数の借り入れがある人にとっては、返済するのが追いつかない状況でした。

【2006年】改正貸金業法が公布!

column292_kabarai1-min2006年、ついに改正貸金業が公布されました。
「グレーゾーン金利」という言葉がクローズアップされたのも同じ2006年です。

それまで上限金利には「出資法」と「利息制限法」の2つの法律がありました。

利息制限法の上限金利が20%なのに、出資法の29.2%で、この幅がグレーゾーン金利です。

消費者金融業界では、出資法の金利を適用しているところがほとんどでした。

ところが、裁判によってグレーゾーン金利は認めないという判決が出たため、過払い金返還請求が相次ぎます。

改正貸金業は「グレーゾーン金利の廃止」「ヤミ金融対策の強化」「貸金業の適正化」の3点を柱にしたものでした。

【2010年】改正貸金業法が完全施行!新時代の幕開けか?

2010年、改正貸金業法が完全施行となりました。

<出資法の上限金利>

●2010年
 29.2% → 20%

完全施行によって、年収の3分の1までしか借りられない「総量規制」が設けられました

さらに過払い金返還請求が続出したことによって、消費者金融業界は淘汰の時代を迎えました。

倒産する中小企業が相次ぎ、大手企業は生き残りを賭けて銀行傘下に入るなど、業界図は大きく塗り替えられたといっていいでしょう。

【現在】消費者金融業界に新しい風は吹くか!?

column292_kabarai2-min改正貸金業法の完全施行から6年が過ぎたいまも、過払い金返還請求の動きは続いています。

時事通信によると、業界全体の利息返還額は2015年度は2500億円前後にもなったそうです。さらに、過去10年では6兆円を超えるとのことです。

また、最大の懸念事項だった多重債務者は、2006年度末には171万人いたそうですが、今年の10月末の時点では9万人まで減ったそうです。

一見、落ち着いたように見える消費者金融業界ですが、この先もまだまだ動きはありそうです。

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。

公開日:2016年12月20日
 
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