
ひと昔前なら、銀行が個人客を対象に数万円という単位で、しかもスピーディに融資を行うなんて考えられませんでした。
ところが、いまでは広く浸透し、銀行カードローンと消費者金融のちがいがわからない人もいるほどです。
でも、賢くお金を借りるためには、条件や用途に合わせて上手に使い分けるのが鉄則です。
金融業界は共存共栄の時代!?
このコラムでも以前お伝えしましたが、銀行カードローンの勢いが止まりません。貸付残高を伸ばし続け、2015年3月末にはついに消費者金融を上回るまでになりました。
銀行カードローンが好調を維持しているのは、銀行が新たな顧客を獲得するために、ターゲット層を広げ、事業を拡大する「攻めの姿勢」を展開しているからです。そんななか、情報メディア「ZUU online」に、銀行グループに消費者金融がある理由がわかりやすく紹介されていました。
たしかに、銀行独自のカードローンを提供しているうえに、グループ内に消費者金融を持っている銀行グループがあります。
銀行の傘下に入っている消費者金融は多く、お金を借りるとき「この会社は、銀行カードローンなのか、それとも消費者金融なのか」と、こんがらがる人もいるかもしれませんね。いまや、銀行カードローンと消費者金融は共存共栄の時代といえるかもしれません。
銀行のグループ傘下に消費者金融が入ることは、双方にとってメリットがあるのだと「ZUU online」は説明しています。
まずは、消費者金融のメリットから。これは、皆さんもご存じのように、銀行の資金力に加え、顧客に与える「安心感・信頼感」があります。
そして、もう一方の銀行には、改正貸金業法を機に新規の顧客を獲得したい思惑がありました。それまでは企業への融資が中心でしたが、個人への融資にも力を入れることで、新たな市場開拓をめざしたのです。ただ、銀行には個人への融資のノウハウがありませんでした。
銀行カードローンと消費者金融、どちらから借りるべきか?
消費者金融が、銀行カードローンに貸付残高を抜かされた背景には、総量規制やグレーゾーン金利の撤廃、過払い金請求などがあります。
特に総量規制は、年収の3分の1を超える借入ができなくなったため、お金を借りたい人たちからも悲鳴が出たほどです。一方の銀行カードローンには、総量規制はありません。銀行は「銀行法」、消費者金融は「貸金業法」と適法される法律がちがうためです。そのため、銀行には総量規制がありません。だからといって、銀行のほうが借りやすいということにはなりません。一般的に銀行は、年収の3分の1までという金額の制限はないものの、審査は厳しめだといわれています。また、金利が低めというメリットがある反面、消費者金融に比べて審査に時間がかかりがちです。消費者金融の特徴は、銀行カードローンの逆だと考えていいでしょう。
自分の状況やニーズを踏まえ、どちらから融資を受けるべきか判断する必要があります。
銀行カードローンを利用するにしろ、消費者金融を利用するにしろ、どちらもしてもきちんと返済することが最低限の条件です。お金を借りるときは、しっかりとマネープランを立てたうえで、無理のない範囲内で。これはいつの時代でも変わらないことです。
■銀行カードローンの現状と利用者プロフィール
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