給料について考えよう!~残業代ゼロと朝型勤務

「高度プロフェッショナル労働制」「脱時間給制度」「残業代ゼロ制度」。呼び方はちがっても、これらはみんな同じ制度。早ければ、2016年4月にも施行されると見られています。
この制度の注目すべき点は2つあります。

  • (1)「高度プロフェッショナル制度」の導入
  • (2)「企画業務型裁量労働制」の拡大

(1)の「高度プロフェッショナル制度」の対象者は、金融ディーラー、アナリスト、コンサルタント、金融商品の開発、研究開発などで、年収1075万円以上とされています。

一方、(2)の「企画業務型裁量労働制」ですが、裁量労働制自体は、現在も記者や編集者、弁護士、税理士などに導入されています。実際の労働時間ではなく、成果で評価しようというもので、何時間働いても残業代が出ない反面、自分で時間をやりくりできるメリットもあります。専門職が対象となっているため「専門型」といわれています。

もうひとつ「企画業務型」があり、こちらは会社の企画立案・調査・分析などを行う職種が対象。「残業代ゼロ」になると、この「企画業務型」の範囲が広げられ、普通の営業職や事務職も、場合によっては対象になるのではないかと危惧されているのです。長時間労働を強いられ、さらに残業代が出ない……こんな不安を抱いている人は少なくありません。

その一方で、ノー残業デーを設けたり、残業を禁止する企業も多くなってきました。「○曜日は絶対に残業してはいけない」とか「夜の○時になると強制的に退社させる」といった取り組みも、もはや珍しいことではありません。
そんななか、注目されているのが「朝型勤務」。すっきりとした朝に仕事をすれば、夜だらだら残業しなくて済むというメリットが強調され、大企業や官公庁を中心に朝型勤務へのシフトが進んでいます。

ところが、「PRESIDENT Online」に驚くべき記事がありました。朝型勤務は、違法なサービス残業だというのです。というのは、通常、所定労働時間を超えた場合、1時間につき25%以上の割増賃金(残業代)を払わなくてはならないのですが、朝早く出勤してきた場合、その分の残業代を支払っていない企業がほとんどだというのです。

実際、金融機関に勤める男性が、朝型勤務を繰り返し、心労のため自殺した例があります。彼は仕事に追われ、残業申告せずに朝6~7時の出社を繰り返したそうです。ところが裁判では、朝型勤務は「個人的スタイル」とされ敗訴となりました。
朝型勤務のお手本には、伊藤忠商事があります。伊藤忠は朝型勤務の先駆者といわれるだけあって、しっかりとしています。20~22時の残業は原則禁止で、22時以降の残業は禁止。その分、朝の5~8時の時間外割増率を50%に、8~9時(始業時間)までを25%にしているのです。
朝型勤務の問題は、企業側だけではなく、社員側にも原因があります。早朝に出社するのは業務命令ではなく、個人の意思として捉えるため、ほとんどの人が申告しないというのです。つまり、敗訴となった判決理由と同じ「個人的スタイル」です。

近年、「ブラック企業」「ブラックバイト」が問題となっています。企業と労働者、双方にとって理想的な労働環境はどのように作ればいいのでしょう。
2016年4月に施行される見込みの「残業代ゼロ制度」によって労働環境がどう変わるのか、目が離せません。

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。

公開日:2015年7月16日
 
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