地震保険は必要か?不要か?大地震に備えて徹底検証!

最近、大きな地震が続いています。9月に発生した北海道胆振東部地震は記憶に新しいですよね。

大地震が起こると、建物が損壊する被害が出ますが、皆さんは地震保険には入っていますか?「地震大国・日本」であるにもかかわらず、地震保険に加入している人は思ったよりも多くありません。

そこには「自分の家は大丈夫!」という油断以外にも、地震保険のある特徴が影響しているのです。

今回は大地震に備えて、地震保険についてわかりやすくまとめてみました。

大地震はいつ起こってもおかしくない!?

地震保険の説明の前に、大地震の脅威についてふれておきたいと思います。

「南海トラフ巨大地震や首都直下地震はいつ来てもおかしくない」と言われ続けています。政府の地震調査委員会が発表している予測の一部を抜粋してみましょう。今後30年以内に、震度6弱の地震が発生する確率が高いとされる地域は次のとおりです。

1.千葉市:85%
2.横浜市:82%
3.水戸市:81%
4.根室市:78%
5.高知市:75%

ちなみに、東京都は60%となっています。もちろんこの予測が当たるとは限りません。

実際、北海道地震で震度7を記録した厚真町は2.4%と低い数字でした。でも、いつどこで大地震が起こるのかわからないのが日本。地震保険は、地震で建物が損壊したときに役立ちますが、ほかの損害保険とちがう点があります。慌てて加入する前に、地震保険の特徴を理解することが大切です。

地震保険は火災保険とセットが絶対条件

北海道地震では、土砂崩れや液状化現象によって建物が損壊する大きな被害が出ました。家が壊れてしまったら、建て直しや修理に大きなお金がかかります。そんなときのために地震保険があります。

でも、日本は地震大国だと言われながらも、火災保険には入っていても地震保険に加入している人は意外と少ないのです。「もし被害があっても、火災保険に入っているから大丈夫」というのは大きなまちがい!

まず知っておきたいのは、地震で起きた火事や土砂崩れなどによって建物が壊れた場合は、火災保険の対象にはならないということ。

「じゃあ、地震保険に入っておこう」と思っても、地震保険だけに加入することはできません。地震保険は、火災保険とセットでなければ加入できないのです。

これ、覚えておいてくださいね。

地震保険は保険会社の儲けがない

ほかの損害保険は単体で入れるのに、どうして地震保険だけは単体で入れないのか?それは、保険会社の儲けが少ないからです。地震保険だけに加入されても、利益にならないのです。

というのは、地震保険は政府が関係している公共性の高い保険で、「地震保険に関する法律」というものがあります。各保険会社は、この法律で定められた保険料しか請求できません。そして、必要経費を除いた利益のすべてを「責任準備金」にあてなくてはなりません。

この「責任準備金」は、万が一大きな地震が起こったときに保険金の支払いにあてるための積立金です。ですから、利益にならない地震保険は、利益になる火災保険とセットにして販売しているのです。いま、火災保険に加入している人は、地震保険を追加(付加)できるので確認してみましょう。

地震保険の補償対象は住宅によってちがう

地震保険の対象は、建物と家財です。一戸建ての場合は、建物のほか車庫も対象になります。マンションの場合は、専用部分(居住スペース)のみが対象になります。

廊下やエレベータ、ベランダなど共有部分とされるスペースは、管理組合などが地震保険に加入することになります。管理組合が地震保険に加入していると、地震によって柱や外壁がひび割れたりしたときも補償してもらえます。

「管理組合なら地震保険に入っているはず」と思いがちですが、そんなことはありません。ある調査によると、地震保険に加入している管理組合は全体の4割程度とのことです。

マンションを購入する場合は、事前に確認することをおすすめします。なお、賃貸住宅に住んでいる場合、保険の対象になるのは家財のみです。

地震保険は補償が低い

地震大国と言われ、南海トラフ巨大地震や首都直下地震が起こる可能性が指摘されているのに、どうして地震保険の普及率が高くならないのでしょう。

損保各社でつくる損害保険料率算出機構の調べによると、火災保険の契約者のうち、地震保険に加入しているのは全国で63%ほどです。火災保険に加入していない人もいるので、全体で見るともっと低くなります。

では、なぜ地震保険に加入する人が少ないのかというと……。

それは保険料が高額なのに、補償が低いことにあるようです。地震保険は、火災保険の金額の最大でも50%しか入れません。例えば、4000万円の火災保険に入っていたとすると、地震保険は2000万円までしか入れないのです。

また、地震保険の上限額は、建物が5000万円、家財は1000万円です。もし、4000万円の家が全焼してしまった場合、火災保険なら4000万円が支払われます。ただし、地震が原因で全焼した場合は、地震保険が適用され、半分の2000万円しか支払われません。この場合、火災保険からは1円も補償されないのです。

地震保険の保険支払額は、損害の大きさによって決められています。

全 壊 大半損 小半損 一部損
支払額100%
建物50%超
家財80%超
建物40~50%
家財60~80%
建物20~40%
家財30~60%
建物3~20%
家財10~30%

地震保険は、壁・柱・床などが地震の揺れで壊れたときのほか、液状化現象、津波や噴火による噴石の被害も補償の対象になっています。

大地震のとき果たして保険金は支払われるのか?

地震保険について「大地震が起きたときに、ほんとうに保険金が支払われるの?」「大地震が起きたら損保会社はつぶれちゃうんじゃないの?」と心配する声もあります。というのは、地震による被害は甚大だからです。

例えば、首都直下地震による東京都の被害想定額は112兆円に達すると言われています。もちろん、この金額=地震保険金の額ではありませんが、多額な保険金が必要とされることはまちがいありません。

過去に支払われた保険金を見てみると……。

●阪神・淡路大震災:約783億円
●東日本大震災:約1兆2000億円

政府が地震保険に関係していることは前述しましたね。1回の地震で支払われる保険金総額は法律によって上限が定められていて、2018年4月現在では11兆3000億円となっています。この金額は、損保会社と政府の支払いを合算した額です。ですから、万が一、支払うべき保険金がこの上限額を超えてしまった場合は、減額されることになります。

「ほんとうに保険金が支払われるの?」「損保会社はつぶれちゃうんじゃないの?」という声は、こうした不安から生まれたものでしょう。

確かに、大地震による被害は想定をはるかに超えることが多々あります。ただ、保険金の上限額は年々高くなっています。11兆3000億円という金額は、東日本大震災で支払われた保険金の約10倍なので、必要以上に心配する必要はないと思われます。

地震保険は2019年に値上がりする

地震保険は、2019年に保険料が値上がりすることが決まっています。この値上げは、東日本大震災の被害状況や南海トラフ巨大地震の被害予想を踏まえて決められたもので、3段階で値上げが実施されます。1回目は2017年でした。2019年が2回目、2021年が3回目となっています。

どのくらい値上がりするかというと、都道府県によって大きく変わってきます。大きく値上がりするのは、福島県、茨木県、埼玉県、徳島県、高知県で14%以上のアップになります。逆に、愛知県、三重県、和歌山県は値下がりになります。

全国平均では、耐火対策をしているマンションでは5.5%、木造家屋では2.2%の値上がりになります。

地震保険は必要か?不要か?

さて、地震保険に入るべきかどうか。それは、人それぞれと言うしかありません。

例えば、賃貸住宅に住んでいる場合、火災保険への加入は管理会社によって指定されていることが多いでしょう。そこにプラスして地震保険に入るかどうか。賃貸住宅の場合は、家財のみが対象となります。仮に、地震による損壊や火災で家財道具を失ったとしても、生活が再建できるのであれば入る必要はないという考え方もできます。
一方、一戸建ての持ち家に住んでいる場合は、家を失うことになっても生活できるかどうかがポイントになります。住宅ローンが残っている場合、住む家を失ったにもかかわらずローンは支払わなくてはなりません。残念ながら、地震保険だけでは損害を100%カバーすることはできず、4000万円の家であれば、全壊の場合でも最大2000万円の保険金しか支払われません。それでも、万が一に備えてリスク対策をするかどうかがポイントになります。

ちなみに、公的制度に「被災者生活再建支援制度」があり、これは地震などの自然災害で家に住めなくなってしまった場合に支給される支援金です。家が全壊し、新たに建設や購入するときは、最大で300万円が支給されます。

地震保険に入るかどうかは、自分のマネーライフとライフプランを見据えたうえで、よく考えて決めることが大切です。

災害の後はトラブルに注意!

地震などの大きな災害の後は、さまざまなトラブルが発生しやすいもの。

例えば「保険金を使えば、お金をかけずに家を修理できる」と工事業者に持ちかけられて契約したのに、のちのち高額な費用を請求されたりするケースがあります。大切なのは、工事業者の話を鵜呑みにしないこと。業者が「保険会社にはこちらから連絡する」と言っても、必ず自分で加入している保険会社に連絡するようにしましょう。

トラブルに関する相談や問い合わせは、消費生活センターが受け付けています。

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。

公開日:2018年10月18日
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