非課税世帯のメリットとデメリット「借金はできる?」「キャッシングは?」

「非課税世帯」という言葉を聞いたことがあると思います。
非課税世帯になると、国民健康保険料が減免されたり、臨時的な福祉給付金を受け取れたりと、公的な支援や優遇措置がいろいろあります。
今年度からは、返済不要の奨学金もスタートしました。
でも、非課税世帯といっても「収入が少なそう」というイメージだけで、詳しく知っている人は少ないのでは?
どのくらいの収入だと非課税世帯になるのでしょうか。そのメリットとデメリットは?
また、非課税世帯でもお金は借りられるのでしょうか?

住民税を免除されるのが非課税世帯

住民税を免除されるのが非課税世帯
非課税世帯といわれているのは、正しくは「住民税非課税世帯」です。
日本では、所得に応じて住民税を支払う仕組みになっていますが、所得が少ない家庭は住民税の支払いを免除されます。
つまり、非課税世帯とは住民税を払う必要のない家庭のことです。
では、どのくらいの収入だと非課税世帯になるのでしょう。

その前に、住民税についてちょっと押さえておきましょう。
・道府県民税(東京都は都民税)
・市町村民税(東京23区は特別区民税)
この2つを合わせて住民税といいます。
都道府県に収める分と、市町村に収める分があるんですね。

さらに、住民税は「均等割」と「所得割」の合計からなります。

<均等割>
所得に関係なく、すべての納税者から一律に徴収
多くの自治体は、道府県民税=1500円、市町村民税=3500円

<所得割>
所得に応じて収める税額が変わる
多くの自治体は、道府県民税=4%、市町村民税=6%

以上のことからわかるように、所得の10%以上を住民税として徴収されるのです。

非課税世帯の条件は?

住民税非課税世帯の条件は次のように定められています。

1.生活保護を受給している

2.未成年者、障がい者、寡婦(夫)で、前年の合計所得金額が125万円以下の人
 ※給与所得の場合は、204万4000円未満の人

3.前年の合計所得が各自治体の定める金額以下の人
 <東京23区の場合>
  扶養なし=35万円
  扶養あり=35万円×(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計数)+21万円

所得というのは、収入から必要経費を引いた金額のことをいいます。
会社員や契約社員、パート・アルバイトなど会社から給与をもらっている人は、「給与所得控除」というのが必要経費にあたります。
ですから、給与から給与所得控除を引いた金額が所得になります。
【所得=給料-給与所得控除】
ちょっとややこしくなってきましたね。

結論からいうと、単身者の場合、給与100万円が「非課税世帯のライン」になります。
配偶者や子供など扶養家族が1人いる場合、給与155万円が「非課税世帯のライン」になります。
パートやアルバイトなど労働時間を調整できる人は、このラインを頭に入れておいたほうがいいかもしれません。
基準を1円でも上まわると、住民税を支払わなくてはなりません。

非課税世帯のメリット

1.国民健康保険料の減免
非課税世帯は、国民健康保険料が減免されます。といっても、無料になるわけではありません。
自治体や所得によって変わってきますが、東京23区では7~2割程度の減額になります。
お住まいの自治体に問い合わせてみるといいでしょう。
ちなみに、生活保護受給者は国民健康保険料の支払いが免除されます。
というのは、生活保護受給者は国民健康保険を脱退して、医療扶助を受けるためです。医療費は無料になります。

2.国民年金保険料の免除
国民年金保険料には、全額免除のほか、4分の1納付、2分の1納付、4分の3納付という免除制度があります。
前年度の所得によって、どの程度免除されるかが決まります。
ただし、非課税世帯であれば国民年金保険料は免除されるのかというと、必ずしもそうではありません。
どの程度免除されるのかは、年金事務所で相談するのをおすすめします。
ただし、免除を受けると、将来もらえる年金額は少なくなります。

3.高額療養費の減額
同じ月に支払った医療費の自己負担額が一定額以上を超えた場合、超えた分を返してもらうのが高額療養費制度です。
自己負担額の上限額は、所得によってちがってきます。
年収が約370万円の平均世帯だと、約5万8000円が上限額です。
これが、非課税世帯になると3万5400円に引き下げられます。

4.保育料の減額
保育園の保育料が、所得によってちがうのはご存じですよね。
ですから、非課税世帯は保育料が低く設定されます。さらに、2人目以降は保育料が無料になります。
ちなみに、生活保護世帯は保育料が無料です。
保育料は自治体によってかなりの差があるので、確認したほうがいいでしょう。

5.臨時福祉給付金
現在(2018年7月現在)は給付を終えましたが、2014年に消費税が8%に上がったことを受け、非課税世帯に臨時給付金が支給されました。
今後も、このような給付金が支給される可能性もあります。

そのほかにも非課税世帯にはさまざまな優遇措置があり、自治体によって独自に設けているケースもあります。
・入院中の食費の軽減
・施設の居住費の軽減
・予防接種などの無料
・介護保険サービスの減額
・健康診断の無料 など

NHKの受信料は払わなくてもいい?

非課税世帯でも、NHKの受信料は免除されません。
ただし、非課税世帯に障がい者がいる場合、受信料は全額免除になります。
全額免除を受けるためには、申請手続きをしなくてはなりません。

<NHK受信料免除の申請方法>
1)まず、自治体やNHKの窓口にある申請書に必要事項を記入します。
2)自治体かNHK窓口に申請書を提出し、免除理由の証明を受けます。
 ※住民票、市町村民税非課税証明書、障害者手帳、印鑑を持っていきましょう。
3)申請書をNHKに提出、もしくは郵送します。
4)NHKから「受理通知書」が届きます。

低所得者って非課税世帯のこと?

「低所得者=非課税世帯」と思っている方がいるかもしれませんが、低所得者と非課税世帯はちがいます。
低所得者というのは、年収がいくら以下という明確なラインがありません。
一般的には、年収300万円以下(手取り200~250万円)を低所得者と定義するケースが多いようです。
ですから、非課税世帯は低所得者に含まれるといっていいでしょう。

非課税世帯が対象の返済不要の奨学金

2018年度から「給付制奨学金」がスタートしました。
これは、日本学生支援機構による返済不要の奨学金で、進学先や下宿の有無などに応じて、月額2万~4万円を給付するものです。
ただし、対象となるのは全国で1学年につき2万人と狭き門なのです。
非課税世帯は、この給付制奨学金の対象となります。
返済不要なので、意欲のある若者にはどんどん活用してもらいたいのですが、申請手続きが問題視されています。
申込みにあたり提出しなくてはならない書類がいくつかあり、そのひとつに住民税非課税を証明する書類があります。
それだけならわかりますが、そのほかに通帳のコピーをはじめ、タンス預金やローンなどの借入金、有価証券、さらにはなんと金の延べ棒の有無(!)なども申告しなくてはならないのです。
「すべてさらけ出さなくてはだめなのか」「プライバシーはないのか」という声があがっています。

非課税世帯はキャッシングできる?

非課税世帯でもキャッシングはできるのでしょうか。
無理じゃないかと思うかもしれませんね。
消費者金融も銀行も、融資の対象を「安定かつ継続した収入があること」としていますが、「年収いくら以上ならOK」と定めているところはほとんどありません。
ですから、非課税世帯はキャッシングできないわけではありません。
ただし、キャッシングの申込時には収入を申告しなくてはなりません。もちろん、借りたいからといって虚偽の申告をしては絶対にいけません。
大手企業になると、自社ルールとして「年収〇万円以上」と定めているところもあるようです。
非課税世帯の方でキャッシングしたい場合は、中小企業のほうが可能性がありそうです。
ただ審査が通ったとしても、まとまった金額を借りるのは難しいと考えてください。
なにより申し込む前に、きちんと返済できるかどうかを確認することが大切です。
いずれにしても、審査は厳しめになると思ったほうがいいでしょう。

生活保護はキャッシングは禁止

非課税世帯はキャッシングに申し込むことはできますが、生活保護を受けている人はキャッシングが禁止されています。
これは、生活保護法によって定められています。
また、生活保護費をキャッシングなどの返済に充てることも禁止されています。
また、生活保護の受給中はキャッシングだけでなく、クレジットカードを利用することもできません。
バレてしまったときは、受給が打ち切りになる可能性もあります。

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非課税世帯がお金を借りたいときは

非課税世帯がどうしてもお金を借りたいときは、国の制度を利用する方法があります。
そのひとつに「総合支援資金貸付制度」があります。
失業などにより生活に困窮している人を対象にした制度で、必要なお金を貸してくれるだけではなく、社会福祉協議会やハローワークなどと連携して生活の立て直しや経済的自立をサポートしてくれます。
総合支援資金貸付のメリットは、なんといっても連帯保証人がいれば無利息でお金を借りられること。
連帯保証人がいなくても、年利1.5%という低い金利で借りられます。
総合支援資金貸付には、主に次のような貸付があります。

1.生活支援費
生活を再建するために必要なお金を貸してくれます。
単身者は月15万円以内、2人以上世帯は月20万円以内です。

2.住宅入居費
敷金・礼金、家賃など住宅の賃貸契約を結ぶために必要なお金を貸してくれます。限度額は40万円です。

3.一時生活再建費
日常生活を送るのがむずかしいと判断された場合、生活再建のために60万円まで貸してくれます。

4.教育支援金
教育のための資金です。
入学金として、就学支度費を50万円まで貸してくれます。
また、授業料として教育支援費を月額で貸してくれます。
<教育支援費>
高校=月3.5万円以内
高専=月6万円以内
短大=月6万円以内
大学=月6.5万円以内

◆総合支援資金貸付の申込先
総合支援資金貸付は都道府県の社会福祉協議会が実施していますが、お申込みや相談は、お住まいの市町村社会福祉協議会が担当しています。

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非課税世帯の証明方法

非課税世帯であることを証明する書類は、課税証明書です。
一般的には、課税証明書の「課税額0円」としたものを「非課税証明書」と呼んでいます。
優遇措置を受けたい場合、非課税証明書はあらゆるところで必要になります。
・国民健康保険料などの減額申請
・保育園の入園申請
・児童手当の申請
・扶養認定を受けるとき
などです。

気をつけたいのが、収入が少ないからといって、何もしなくても非課税世帯に認定されるわけではないということ。
非課税世帯の認定を受けるためには、まずはお住まいの市町村窓口で、住民税の申告をしなくてはなりません。

<用意するもの>
・住民税申告書
・印鑑
・身分証明書
・マイナンバー確認書類

住民税の申告をし、住民税非課税の決定を受けることで、初めて非課税世帯になります。

非課税証明書を発行する方法

非課税証明書は、市町村窓口(市民税課など)に行き、発行してもらいます。
その際、免許証やパスポートなどの身分証明書が必要になります。
代理人が行く場合は、本人が自署・押印した委任状と、代理人の身分証明書が必要です。
手数料は自治体によって異なりますが、300円~400円です。

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。

公開日:2018年7月5日
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