
爆発的な成長を遂げている中国の消費者金融市場。
キャッシング額を決める「牛」が話題になる一方、多重債務に陥る大学生が社会問題にもなっています。
今回のコラムは、最新の中国のキャッシング事情をお届けします。
<目次>
キャッシング額を決める「牛型ロボット」登場!
中国情報サイト「Record China」によると、北京の金融街ショッピングセンターにキャッシング額を算定する「牛」が登場したとか!
この牛ロボットを生み出したのは、中国のインターネット金融サービス会社「融360」。
牛ロボットには顔認証システムが搭載されていて、瞬時に人の顔を見分けることができるそうです。さらに驚くのは、顔を見分けるだけじゃなく、声を通じて人の抱える問題を認識するというのです。
顔を見分けるだけならいまどきは珍しくありませんが、声でどの程度の悩みがわかるというのでしょう?残念ながら、記事には詳しい説明はありませんが、
・・・だとしたらすごいのですが、さすがにそこまで分析するのはむずかしいような気がしますね。
「牛ロボットでキャッシング」その仕組みは?
「牛ロボットでキャッシング」の仕組みは、牛ロボットが顧客の抱える問題を認識し、顔認証で身元を確認します。
その後、実際に融資可能かどうかの審査を行うのは金融機関ですが、
ということは、金融機関は融資可能かどうかを判断するだけ。
本人確認も限度額の決定も牛ロボットが行ってくれるのですから、時間や労力が大幅に削減されます。
それにしても、牛型ロボットというのがおもしろいですね。
これは推測ですが、中国にとって牛は神に近い生き物で、伝説や神話にもよく登場します。さらに、牛は「すごい」とか「強い」といった意味を持ち、最近では「牛」の文字を使った造語も流行っているとか。
例えば「最牛=最もすごい」「牛男=すごい男(かっこいい)」などです。
日本では、牛はあまり褒め言葉に使われないので、お国柄が表れていますね。
爆発的成長はまだ序の口!?
中国ではここ数年のあいだに、消費者金融市場が爆発的に成長しています。
その規模は、4年間で約70倍とか!
ところが、これはまだ成長の序の口という見方が強いようです。というのも、中国の家庭総資産に占める消費者金融の割合は0.1%に過ぎません。
これに、住宅ローンや自動車ローンなどを足しても2.4%にしかなりません。アメリカでは、この比率が25%にもなるそうです。
中国は、ビジネスで成功して資金ができると、まず不動産に投資します。次の選択肢として融資事業があります。
ですから今後、消費者金融業への参入がさらに続くだろうと見られているのです。
成長の陰に多重債務問題も!
驚くべきスピードで成長している中国の消費者金融市場。
そこには、危険もはらんでいます。
中国人は「爆買い」が象徴するように消費意欲が旺盛です。近年、インターネット消費者金融から無計画にお金を借り、多重債務に陥る大学生が増えています。
中国の消費者金融は、日本とは比べものにならないくらい簡単に融資をします。日本から見れば「審査はあってないようなもの」という人もいるくらいです。
そこには「学生証だけでお金を貸します」などという謳い文句があります。

大学生の消費者金融利用は、中国では社会問題となっているのです。
■消費者金融も中国が熱い!?
消費者のマネーリテラシーが未熟!
中国の消費者金融市場はあまりにも急速に成長したため、消費者のマネーリテラシーが追いついていないようです。
そこで先日、中国教育部財務司の副司長は「いかなる消費者金融も大学生にお金を貸してはならない」と発表しました。さらに、大学側に学生にマネーリテラシーの教育をするように通達を出したそうです。
明暗分かれる中国の消費者金融業界
中国の政府系シンクタンクによると、中国の消費者金融の市場規模は2020年までに12兆元を上回る見込みです。

日本の消費者金融の貸付残高が約5兆円。人口がちがうとはいえ、驚くべき規模ですよね。
今後、さらなる成長が予測される中国の消費者金融市場。どのような進化を遂げていくのでしょうか?
■中国でチェコ発消費者ローンが躍進!
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