
北京オリンピックもいよいよ開幕!そこで今回のコラムは、あまり知られていない中国の消費者金融事情についてお届けしましょう。
1986年、中国銀行が「長城カード」を発行し、これにより中国初のクレジットカードが誕生しました。
その後、1998年頃から消費者金融市場が本格的に 動き出しました。
現在では、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードのほか、質屋形式の消費者金融があります。
これらのほとんどは銀行が主体となって います。
しかし、市場が成長しつづけるなか、これらの金融サービスでは多様なニーズに応えることができなくなってきました。
たとえば、クレジットカードは与信額が小さく、高額融資には対応していません。さらに、銀行が主体となっているため、リスクが高い融資は行っていません。
そこで問題となってくるのが、公営ではない中小企業の事業主です。
必要とする金額が大きく、また担保の手続きが面倒なため、なかなか融資が受けられないのです。
加えて、銀行主体の金融サービスの対象は都市部に限られているため、人口の60%以上を占める農村部ではサービスを受けることができません。
このような融資を受けられない人々のニーズに応えるために、民間の金融が生まれました。
中国では、個人間の貸し借りに関しては許可はいりません。上限金利 を守っていれば、特に取り締まりを受けることもありません。
ただ、公なものとはされていないため、利用者や利用額などの正確なデータはないようです。
以前のコラム(第35回)で、バングラディッシュのグラミン銀行についてお届けしたことがあります。
貧困層を対象に少額無担保融資を行い、ノーベル賞を受賞した銀行です。中国でも、このグラミン銀行をモデルにした融資制度が導入されています。
ただ、民間金融が誕生した現在でも、まだまだすべてのニーズに応えられる融資制度は確立していないようです。
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公開日:2008年11月21日