
皆さんは「日掛け金融」を知っていますか?
金利のグレーゾーン廃止が決まりましたが、今のところはまだ出資法により、上限金利が年29.2%となっていますね。
この金利でも高いとされているのに、 日掛け金融(日賦貸金業)は特例として、なんと年54.75%まで認められているのです。
なぜ、そんな高金利が認められているのでしょう。それは、次のような規制があるからです。
(1)貸付対象は、従業員5人以下の零細事業者のみ
(2)返済期間が100日以上
(3)100分の50日以上の日数は業者が直接集金する
つまり、業者は連日、融資先に出向いて少額ずつ返済してもらいます。
集金に手間やコストがかかるとして、特例が認められているわけです。
現在でも54.75%と高金利ですが、2001年1月までは、なんとその倍の109.5%の金利で続いていました。
もともと、この日掛け金融は「毎日少しずつ返済したい」という商店などを対象に生まれたスタイルで、熊本もしくは福岡で始まったとされています。
現在でも、九州と沖縄に多くあります。
この九州地区は、自己破産率が非常に高く、日掛け金融がその原因のひとつではないかといわれています。
最近、この日掛け金融が問題になっています。
それは、規制を守らない悪徳業者が増えているからです。
集金ではなく銀行振込にさせたり、融資対象ではない個人への貸付をしたり、まとめ払いを強要したり、さらに暴力まがいの取立を繰り返す業者もいるそうです。
グレーゾーン廃止が決まり「借りられない人」が増えているというお話は、このコラムでも何度もしましたが、そういった人たちをターゲットにした悪徳業者にはくれぐれも注意したいものです。
※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。
公開日:2007年11月23日